知らないだけで損?「ふるさと納税」の仕組みとやり方をカンタン解説
ふるさと納税とは、地方自治体への寄附を行うことで、税金の控除を受けることができる制度です。そして、控除を受けられるだけでなく、寄附した金額に応じた「返礼品」をもらえることが人気の秘密となっています。
お肉やお米を始めとする、各地方の魅力的な特産品の数々。多くの自治体が、そういった「返礼品」を用意して注目を集めています。
しかし、以下のように考えている方も多いのではないでしょうか?
- 「何だか難しそう」
- 「申請の仕方がよく分からない」
実は「ふるさと納税」は、そこまで難しい制度ではありません。要点さえ分かれば、とてもシンプルな制度なのです。
そこで今回は、このふるさと納税について一から解説していきたいと思います。
ふるさと納税の仕組みとは
この制度の仕組みを理解をするために、まずは成り立ちについて確認することから始めましょう。
ふるさと納税が始まった理由
そもそも「ふるさと納税」という制度は、何故生まれたのでしょうか?
その理由は、都市部への人口集中に伴う、自治体間の「税収格差」にあります。
私たちが納める税金の一つに、「住民税」がありますよね。この住民税は、現在住んでいる地域に支払うことが原則です。税金によって様々な「行政サービス」が運営されていますが、それは「現在、その自治体に住んでいる人たち」によって支えられているのです。
これは、人の集まる都市部の自治体からすれば当然の話かもしれません。人口が多い分、行政コストもかかります。しかし、地方の立場から見ると、どうでしょうか?
多くの人が地方で生まれ、その土地の行政サービスを受けながら育ちます。しかし、地方より都会の方が仕事が多いため、都会に出て行く人は増える一方です。このままでは、自分を育ててくれた自治体の収入が増えることはありません。
そんな状況に対して、「都会に出ても、自分がお世話になった地域や、応援したい地域に還元できるようにしよう」という想いから生まれたのが、この「ふるさと納税」という制度です。
しかし、「ふるさと」の定義は人によっても様々ですよね。生まれ育ったところじゃなくても、何かのきっかけでお世話になった地域や、旅行などを通して好きになった地域。人それぞれ応援したい場所があるはずです。
そのため、ふるさと納税を利用して寄附を行える地域は限定されていません。どこでも好きな自治体に寄附をすることができます。
ふるさと納税が創設された目的の一つとして、各自治体が「選ばれる側」としての意識を持ち、その地域の魅力を改めて考えるためのきっかけを作るというものもあります。
多くの地域が、寄附へのお礼を用意し、ふるさと納税を行ってもらうためのPRに取り組んでいます。ふるさと納税は、自治体間の競争を促すきっかけにもなっているのです。
寄附することで、その地域の発展に貢献することができます。あなたの応援したい自治体を選びましょう。
ふるさと納税のメリット
ふるさと納税という制度を利用して寄附を行うと、所得税と住民税に対して一定の控除を受けることができようになります。
寄附金額から、自己負担額(2000円)を引いた金額分、税金を安くすることができるのです。ふるさと納税を利用して「1万円の寄附」を行った場合、「8千円分の控除」を受けることが可能です。
「好きな自治体に寄附を行った金額に応じて、税金が安くなる。」
つまり、現住所の自治体に納めるはずだった税金の一部を、寄附を行った地域に還元していることになるわけです。税金の控除を受けられるのであれば、好きな地域を気軽に応援することができますよね。そして、ふるさと納税の良さは、控除を受けて寄附できることだけではありません。
その大きな特徴は、各自治体から寄附金額に応じた「お礼品」を送ってもらえることです。
このお礼品には、各地域を支える事業者によって提供される、様々な特産品が用意されています。お肉やお米などの食料品だけでなく、家電や優待券などユニークなものもあります。普通に納税するだけであれば、何かもらえるということはありません。
一方、ふるさと納税を利用すると、税金の控除を受けられ、お礼品をもらうこともできるのです。その自己負担額はたったの「2000円」なので、是非とも利用したい制度ですよね。
ふるさと納税によって、寄附された金額の一部が自治体の収入となり、お礼品を提供する事業者にも代金が支払われる仕組みとなっています。
自治体側は増収を図ることができますし、今まで以上に行政サービスの拡充を進めることが可能です。お礼品を提供する事業者にとっても、ふるさと納税を通して、自社商品の良さを伝えるきっかけになります。
- 寄附したあなた
- 寄附を受けた自治体
- お礼品を提供する事業者
ふるさと納税制度は、この三者にとってメリットのある制度となっているのです。
控除を受けられる限度額
ふるさと納税はメリットの多い制度ですが、「控除を受けられる金額」には限りがあるので注意が必要です。
実際の控除額は、収入や家族構成などによって大きく異なります。
総務省のウェブサイトに、「控除額の目安表」や「シミュレーション用のエクセルシート」が用意されているので、参考にしてみましょう。控除を受けられる金額をしっかりと確認し、無理のない寄附を行うことが大切です。
参考:総務省 ふるさと納税ポータルサイト|税金の控除について
ふるさと納税の申請方法
ふるさとの納税を利用するための手順は難しくありません。
- ふるさと納税を申し込む
- 控除を受ける手続きを行う
大きく分けると、これだけの手順で済むのです。自治体によっては、クレジットカード払いにも対応しているので、寄附金額の決済も面倒ではありません。
また、申し込み先やお礼品を探す際には、「ふるさと納税サイト」を活用するのがオススメです。ふるさと納税サイトを利用すると、ECサイトのような感覚でふるさと納税を行うことが可能です。
意外とシンプルなふるさと納税の手順について、以下で説明していきます。
1.自分自身が「控除を受けられる金額」を把握する
ふるさと納税を利用して、控除を受けられる金額には限りがあります。まずは、自分自身がいくらまで控除を受けることができるのかを確認しておく必要があります。この金額は、あなたの収入や家族構成によって様々です。
総務省の運営するポータルサイトや各種ふるさと納税サイトに早見表も用意されているので、控除額を確認し、実際に寄附する金額を決定することから始めましょう。
2.応援したい自治体を選んで申し込む
次は、どこに寄附をするのかを決める必要があります。
各自治体が個別に申し込みを受け付けていますが、「ふるさと納税サイト」を利用するのが便利です。以下のような様々な条件で、申し込み先の自治体を検索することができます。
- 自分が欲しいお礼品のジャンル
- 寄附金の用途
- 寄附金額の範囲
魅力的なお礼品がたくさんあり、目移りしてしまうかもしれません。お礼品も気になりますが、「あなたが応援したい」と思える自治体を選ぶことも、ふるさと納税の大切なポイントです。それぞれの地域の魅力を知りながら、申し込み先を選びましょう。
3.お礼品と寄附金受領証明書を受け取る
ふるさと納税を通して寄附を行うと、お礼品と寄附金受領証明書が届きます。この受領証明書が、確定申告の際に必要になります。大切に保管しておきましょう。
4.控除を受ける手続きを行う
申し込みをしただけでは、税金の控除を受けることはできません。
控除を受けるためには、送付された「寄附金受領証明書」を用いて確定申告を行うことが必要です。普段から確定申告を行っていない方であれば、ここは躊躇してしまうポイントかもしれません。
しかし、そういった方向けの制度も用意されているので安心してください。ふるさと納税以外に確定申告をする必要がない方は、「ワンストップ特例」という制度を利用することができます。
ふるさと納税を行う先の自治体数が5団体以内であることが条件ですが、寄附を行った自治体に必要書類を送るだけで、控除を受ける手続きを終えることが可能です。普段は確定申告する必要がない方などは、この制度を利用することも検討してみましょう。
「ふるさと納税サイト」をチェックしよう
ふるさとチョイス
15万点以上のお礼品が掲載されている、掲載数No.1のふるさと納税サイトです。
お礼品の人気ランキングだけでなく、ジャンルや地域、寄附金の使い道など、検索方法も充実しています。とても多くの返礼品が掲載されているので、眺めているだけでも楽しいサイトです。
さとふる
ソフトバンク系列の会社である、株式会社さとふるによって運営されています。テレビCMで名前を目にした方も多いかもしれません。
このサイトの最大の特徴は、分かりやすさです。お礼品の詳細説明や、配送方法、申し込みの受付時期などがすぐ分かるように、画面がよく整理されています。お礼品に対するレビューも掲載されているので、申し込み先を選ぶ上での参考になるでしょう。
楽天ふるさと納税
楽天もふるさと納税サイトを運営しています。
楽天市場を利用するのと同じ感覚で、寄附を行うことができます。レビューで高評価を得ているお礼品を探すことができたりと、申し込み先の選びやすさも特徴です。
また、楽天ふるさと納税の最大のメリットは、楽天ポイントが貯まることです。さらに、ポイントを利用して寄附することも可能なので、気軽にふるさと納税にチャレンジすることができます。
普段から楽天で買い物をする方には、オススメできるサイトです。
まとめ
ふるさと納税を利用することで、自分の好きな地域を、お得に応援することができます。
寄附を受ける自治体や、返礼品を提供する事業者も潤うことのできる制度です。ふるさと納税の仕組みを理解して、この制度を活用していきましょう。
様々な地域の魅力を知るきっかけにもなるはずです。